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「リタリン禁止」撤回へ、患者が東京地裁に仮処分申請

難治性・遷延性うつ病や睡眠障害のナルコレプシー、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の治療薬として用いられてきた向精神薬「リタリン」。遅くとも2008年1月1日までに、睡眠障害の1つであるナルコレプシー治療以外での処方が禁じられる。

http://www.ohmynews.co.jp/news/20071203/18023

 この方向性と、同薬を処方できる医師の数が、1製薬会社の方針によって、全国で100人程度に限定されてしまうのは違法だとして、12月3日(月)、ADHDや難治性・遷延性うつ病の患者5名が原告となって、東京地裁にリタリン規制の撤回を求める仮処分を申請した。弁護士は原告のひとりでもある、和智薫氏(ふたば法律会計事務所=埼玉県志木市=代表)が務める。和智氏はご自身が難治性うつ病を患っていると公表している。

 リタリンの製造販売元ノバルティスファーマは12月中に、同社が設置した第三者委員会で、リタリンを処方できる医師・医院・調剤薬局を認定する。

 仮処分申請では、第三者委員会の設置の禁止と、処方可能な医師・医院・調剤薬局の限定の中止を求めている。また、ノバルティスファーマがリタリンの適応症から難治性・遷延性うつ病を10月に外したことの違法性を主張、適応除外は無効と訴えている。原告によると、同社が11月初旬に全国に示した方針によって、リタリンの処方がナルコレプシーの治療に限定され、うつ病やADHDの患者に対する処方が中止され、原告らは損害を被ったという。

 訴訟を支援する「ADHD・鬱のリタリン処方問題を考える会」の代表は、仮処分を申請した理由について次のように説明する。

 精神科医の中からも、今回のリタリン規制が粗雑で拙速すぎるという批判が出ています。論点は3つあります。

 まず、欧米先進国では、「ADHD治療の第1選択薬がリタリン」ということは周知の事実です。ADHD治療にリタリンの使用が認められていないのは日本ぐらいです。これまでADHDは同薬の適応外であったために、患者の治療には保険が効きませんでした。

 適応外であるということ自体を改善すべきなのに、日本ではこれから、ADHDの治療にリタリンの処方を禁止するわけです。ADHD患者の人権が日本では無視されるわけで、暴挙としか言い様がありません。

 第2に、難治性・遷延性うつ病の治療にリタリンが有効かつ必要不可欠だと主張する精神科医は少数派かもしれませんが、複数、存在します。精神科医の中で意見が割れているのが現状です。そして、他の抗うつ薬は効かなかったのに、リタリンはうつ病に有効だと主張する患者が数多く存在します。患者の声を聞くこともなくリタリンの難治性・遷延性うつ病治療への処方を禁止するとは、ただでさえ病で苦しむ者に追い打ちをかける行為です。

 第3に、メーカーは12月中にリタリン規制策を実施する意向です。12月の1カ月間だけで、『第三者委員会で規定されたリタリン処方可能な医師・医院・調剤薬局の基準』が示され、医師・医療機関からの申請を受け付け、第三者委員会が各々の適格性を判断するのは、あまりにも早急すぎます。

 医師・医院からの申請は2008年1月1日以降も受け付けるから問題はないと厚生労働省は回答するのですが、1月1日以降は12月に認定された医師・医院しかリタリンを処方できません。1月1日以降は認定医にしか処方を認めないという方針を撤回しない限り、1月時点では処方できる医院・医師はごく少数に限られ、医師不足が予想されます。

 12月のある日、突如、申請を出せと関係機関に通知し、1カ月に満たない期間で申請した医師・医院を1月1日からリタリン処方可能なところかどうか認定するのは、短時間過ぎるのではないでしょうか。通知がいきなり来ても、製薬会社に申請するかどうか内部で議論することや申請書を記載し提出することに、時間がかかるでしょう。リタリンを必要とする患者の権利を守り、無茶苦茶としかいいようのない認定の手続きを中止させるため、東京地裁に今回、原告は訴えたわけです。

 東京地裁は、仮処分申請に対する結論を今月中に出す予定。

 「申請が認められることは難しいでしょう」と和智弁護士は予測するが、「患者がアクションを起こすことに意義があります」と強調する。

 申請が却下された場合はどうするのか?

 「新たなリタリン流通管理策が実施された時はノバルティスファーマと厚生労働省を相手取って、リタリンの処方をナルコレプシーに限定したことは違法・違憲であるとして、東京地裁に損害賠償請求訴訟を起こします」(和智弁護士)

 仮処分申請に名を連ねたのは5名だけだが、訴訟には、原告がさらに加わる見込み。

 支援する会の代表は最後にこう語る。

 「必要な患者にリタリンが処方されない。適切な医療が行われないのは製薬会社と厚生労働省による重大な人権侵害です。司法の場で見識ある判断が下されることを期待します」

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