向精神薬をエステに販売の疑いで捜索 近畿・麻薬取締部
食欲抑制効果がある向精神薬「マジンドール」を使ったダイエット法を提唱し、全国で診療所やエステ店を展開する「メディカルサロン」グループ(代表・風本真吾医師、東京都)が、薬を取り扱えない外部提携先のエステ店にマジンドールを販売した疑いがあるとして、麻薬及び向精神薬取締法違反(営利目的譲渡)容疑で近畿厚生局麻薬取締部の家宅捜索を受けていたことがわかった。麻薬取締部は、エステ店を通じた不正な販売が全国的に広がっていた恐れがあるとみて実態を調べている。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200712270052.html
心斎橋メディカルサロンで出されたマジンドール(商品名・サノレックス)
同グループが不正販売したとされるのはマジンドールを成分とした錠剤「サノレックス」。マジンドールには睡眠障害や嘔吐(おうと)などの副作用があるほか、肺高血圧症の症例も国内外で報告されている。同法は、薬問屋などの「営業者」以外には向精神薬の販売を禁じ、エステ店への販売も認めていない。
調べでは、同グループの関西の拠点である「心斎橋メディカルサロン」(大阪市中央区)は資格がないのに06年7月、当時外部提携先だった大阪府内のエステ店に錠剤20錠を販売した疑いが持たれている。この提携先エステ店の経営者は調べに、「マジンドールが向精神薬と知らなかった」と話したという。
麻薬取締部によると、当時この提携先エステ店はダイエットを望む客にマジンドールを紹介したうえで、客に記入させた問診票を心斎橋店にファクス送信。後に同グループの医師が電話で客を問診し、心斎橋店に処方指示を出していた。これを受けて心斎橋店はエステ店にマジンドールを宅配便で送り、エステ店が客に渡していた。
心斎橋店はこの提携店に1錠600円(税抜き)、提携店は客に千円(同)で販売していたといい、麻薬取締部は提携店が1錠400円の利益を得ていたとみている。処方には肝機能を確認するための血液検査が必要とする見解もあるが、検査はなかったという。
麻薬取締部は昨年10月以降、心斎橋店のほか、「四谷メディカルサロン」、六本木の「メディカルサロンプラザクリニック」(いずれも東京)、風本氏が会長を務めるNPO法人などを捜索した。
同グループは92年に最初のサロンを設立。ホームページなどによると、東京や名古屋、福岡、沖縄など全国約15カ所に「メディカルサロン」を展開するほか、多くの提携エステ店を持つ。マジンドールについては、06年に全国トップクラスの年間5万2千錠余りを仕入れていた。
風本氏は朝日新聞の取材に「薬は患者に処方している。患者が受取先にエステ店を指定するため宅配で届けているだけで、エステ店に販売したわけではない」と反論している。
《マジンドール》 深刻な肥満症患者の治療に使われる向精神薬で、投薬には医師の処方が必要。脳の中枢神経に作用し、満腹感を与えることで食欲を抑える働きがある。依存性を懸念する声もある。服用期間は通常3カ月を限度とし、食事や運動療法の補助としての服用が原則。保険適用は「深刻な肥満」とされる体格指数(BMI)35以上の患者らに限られるが医師が認めれば適用外の処方も可能。このためダイエットに用いられるケースが目立つ。
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