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カリスマドクター逮捕…やせ薬を無資格の店長らに販売指示

診療所やエステ店を全国展開する東京の「メディカルサロン」が、無資格のスタッフらに肥満治療用の向精神薬を処方させていたとして、大阪地検公安部は8日、グループ代表の医師、風本真吾容疑者(41)らを医師法違反容疑で逮捕した。グループでは医師の指示で睡眠障害などの副作用がある「マジンドール」をインチキ問診で処方するなどしてダイエットビジネスを拡大。グループ総売り上げが12億円の年もあった。

http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200801/sha2008010908.html


 「やせたい」という女性の願望に付け入り、危険な処方で荒稼ぎしていた風本容疑者。大阪地検への出頭直前にもかかわらず、「誤解と曲解ですよ。最高の専門医は私です! ダイエット治療の!!」とぶぜんとした表情で、報道陣に自らの“カリスマ”ぶりをアピールした。

 大阪地検公安部は8日、風本容疑者のほかに同グループ「六本木メディカルサロン」(東京都港区)店長の岡村沙代里容疑者(29)も医師法違反容疑で逮捕した。

 調べでは、風本容疑者は医師免許がない岡本容疑者に指示し、平成18年5~9月、六本木メディカルサロンの女性客に、医師の処方が必要な「マジンドール」の成分を含む錠剤「サノレックス」120錠を処方し、販売した疑い。メディカルサロンホームページ(HP)によると、20錠2万1000円で販売している。

 「従業員を通して渡したのは間違いないが、医師が適切に処方していた」と否認する風本容疑者。しかし関係者によると、グループの複数店舗では、医師が診察して処方するのは初回だけ。2回目以降は、医師資格のない店長らが、体調や副作用の有無などを尋ねる程度の“問診ごっこ”で処方していたと証言。逮捕容疑となった女性客のケースでは、医師は一度も診察していなかった。

 「マジンドール」は食欲を抑制する一方で、便秘や睡眠障害の副作用があるとされる。日本肥満学会名誉会員で共立女子大家政学部(東京都千代田区)の井上修二教授は「中枢神経に直接働くので、服用を誤ると情緒不安定になり思わぬ事故につながる可能性もある」と指摘。グループでは平成18年、全国トップクラスとなる年間約5万2000錠を仕入れていた。

 メディカルサロンHPなどによると、風本容疑者は慶大医学部内科大学院修了。平成4年に東京都新宿区に診療所を開設し、全国9都府県にエステ店などを展開する。資本金は6000万円で、従業員はグループで80人。売り上げはグループ全体で12億円。

 公安部はこの日、近畿厚生局麻薬取締部と合同で、東京・四谷や六本木などの関係先を家宅捜索。風本容疑者の主導による無資格処方の実態解明を進める。


■マジンドールとは
 高度肥満症の患者の治療で、食事・運動療法の補助として使われる向精神薬。商品名はサノレックス。国内では1992年に販売が始まった。脳の食欲中枢に作用し、食欲を抑制するが、依存性への注意が必要とされ、肺高血圧症や嘔吐、睡眠障害などの副作用が報告されている。投薬には医師の処方が必要。投与期間はできるだけ短期間で、3カ月が限度とされている。高度な肥満の場合は保険適用となるが、ダイエットのために適用外で処方する医院もある。

★自ら使用?も ふっくらと…

風本容疑者は自身監修のHPで、向精神薬「マジンドール」のダイエットについて「5~10キロなら簡単。30キロ以上の大減量に成功した人も大勢います」と推奨していた。また「『朝だけ』ダイエット」などの著書約20冊を「ベストセラー」として紹介。さらにダイエットや美肌商品などを通信販売で販売し、ビジネスを拡大した。

 今回の事件は昨年末、「心斎橋メディカルサロン」(大阪市)でのマジンドールの不正販売で発覚。自身もマジンドールを使っているという風本容疑者は、昨年末の報道に「日本の損失と思う」。その姿はHPの写真よりもなぜか、ふっくらしていた。

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