眠くなる病気「ナルコレプシー」
もしあなたが会社で商談中、突然相手が眠ってしまったらどう思う?「緊張感が足りない」「失礼だ」など、その相手に対する印象はいっきに悪くなるだろう。その原因が病気と聞いて適切な対応ができるだろうか?
今回は、昼間に眠くなる病気「過眠症」のなかでも代表的な「ナルコレプシー」を中心に、その実態と対策について解説する。
http://www2.health.ne.jp/library/5000/w5000519.html
3日間徹夜したような、強い眠気
寝る時間が遅いなど、生活リズムの乱れから昼間に眠気を感じる人は多い。どんなに眠くても「今眠ってはダメ」という状況下でこらえることができれば、それは正常な眠気だ。
一方、夜間に十分な睡眠をとっていても、時と場合にかかわらず突然眠りに落ちる症状、それがナルコレプシーだ。眠気の程度はとても強く、「丸3日間徹夜で過ごした後のような眠気」とも表現される。また不意に驚いたとき、「やったー!」と喜んだときなど、強い喜怒哀楽をきっかけに手足の力がカクンと抜けるというのもナルコレプシーの特徴だ。
はっきりした原因は不明だが、遺伝的体質と、ストレスなどの環境因子がくわわって発症するとされている。
●ナルコレプシー患者が眠りに落ちるシーン
移動中
人との会話中、電話中
会議の途中、試験の途中
歯の治療中
食事中
進学や就職に悪影響も
ナルコレプシーがつらいのは、周囲から誤解を受ける点だ。本人の意識とは無関係に大事な会議や人との会話中で眠ってしまうため、周囲に悪い印象を与えかねない。目が覚めているときは実力を発揮できても断続的に眠気に襲われるため、集中力に欠ける、記憶が断片的になる、事故や作業ミスを起こしやすくなるなど、進学や就職にも悪影響をおよぼす。
また喜怒哀楽をきっかけに全身の力が抜けたりするのも、人と会うのを躊躇させ、精神的につらい状況に追い込まれてしまう。
ナルコレプシーの患者に必要なのはまず、家族や友人、周囲の人間が病気について知り、患者本人がどんなにつらい状況にあるかを理解してくれることだといえる。
内山真、編.睡眠障害の対応と治療ガイドライン.じほう;2002
薬を用いて、昼夜にメリハリを
ナルコレプシーは根本的な原因が不明なため、根治させる方法はまだ分かっていない。
眠れないという症状からはじめに内科を受診する人が多いが、ナルコレプシーは睡眠をコントロールする脳の機能に異常を来たす病気。神経科や精神科を受診するとよい。睡眠障害を専門に扱う医療機関であれば、なお安心だ。夜は軽い睡眠導入剤などぐっすり眠るための薬、昼は精神活動を活発にさせる薬を使い、昼夜にメリハリをつけるようにしていく。
病態に応じた適切な治療を行えば、確実に症状は改善できる。単に眠くなる病気と軽視せず、専門家のもとで治療を受けてみよう。
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