続・うつ50話:第4話 抗うつ薬の作用と効果
うつ病の治療は主に休養、薬物療法、精神療法からなっています。その中で抗うつ薬による治療は重要です。抗うつ薬は化学構造式の違いにより分けられています。古くは三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬が、最近では副作用が少ないことからSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(選択的セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬)を用いることが多いようです。
http://mainichi.jp/life/health/yamai/utsu/news/20080419ddn035070043000c.html
これらの薬物が脳内の神経伝達物質(脳内の情報を伝える物質)に作用して脳の機能を変化させることにより効果を生じます。気分、意欲、食欲などに関係する神経伝達物質である脳内のセロトニンを増やすことは特に重要です。しかし、これ以外にもノルエピネフリン、ドパミン、アセチルコリンなどの神経伝達物質にも作用します。それぞれの薬物が作用する神経伝達物質に微妙な違いがあることから、主に気分を高揚させるもの、意欲を高揚させるもの、不安を軽減するもの、それらの作用をまんべんなく持つものなどに分かれます。
抗うつ薬の効果はすぐに表れず、2~3週間かかります。服用後に口の渇き、嘔吐(おうと)、食欲低下、便秘や下痢などの消化器症状、睡眠障害、頭痛、めまいなどの副作用が出ます。これらが一過性ではなく、続くようなら医師に相談してください。軽度であれば服薬を続ける必要があります。そうでないと、抗うつ効果が出ないうちにやめてしまうことになり、効果のある薬を見つけられなくなります。また、症状が改善してもすぐに薬をやめるのではなく、医師の指示に従って服用を続けてください。
次回は「趣味は程々に」。(大阪市立大大学院医学研究科准教授・神経精神医学、井上幸紀)
毎日新聞 2008年4月19日 大阪朝刊
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