【社説】大統領が先に国民と疎通を!
何が問題なのだろうか。どこからこじれたのだろうか。李明博(イ・ミョンバク)大統領は今こうした問いを投げかけなければならない。
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=100023&servcode=100§code=110
自ら感じる切実な危機意識だけが李大統領をどん底から救い出すはずだからだ。2月25日、国会の就任式典で国民に約束した言葉を大統領は覚えているだろう。6万人の聴衆が歓呼する中で「この地に機会があふれるようにする」「発展のエンジンに再び火を付ける」「政治の根本は国民を安らかにするところにある」と話した。
停滞と分裂に苦しめられた人々は、誰彼なしに大統領の言葉一つひとつに期待を寄せ、力を得た。そうした人々が3カ月もならない時点で惨めな気持ちになっている。3カ月がまるで3年のように長く感じられる。「李明博疲労感」という言葉まで出ている。歴代大統領の中でもこれほど速いスピードの支持率墜落を体験した大統領もいないだろう。
大統領が国民を心配するのではなく、国民が大統領を心配している。最初は意欲があふれてそうなのだろうと考えた。時間が経つにつれ、一度、二度の試行錯誤だろうと考えた。しかしそうではなかった。何か重大な欠陥があるのはでないか、それを探して解決しなければならないのではないか。
李大統領はいま国政を反転できるターニングポイントを見いださなければならない。自分を振り返り、民心に従わなければならない。最も大きな問題は大統領自身にある。李大統領は、いわゆる‘狂牛病怪談’と怒った民心にやるせなく倒れる無能な政府、長官を責めた。
大統領は「政府が事前、事後に国民と完璧に疎通すべきだったが、疎通問題においてやや不十分な点があったのではないか、と認めざるを得ない」と述べた。政府と国民の疎通に障害があるという点を指摘したのだ。正しい指摘だ。だが疎通障害の真ん中に李大統領本人がいることを知るべきだ。
レーガン元米大統領は「偉大なる疎通者(Great Communicator)」として米国民に記憶されている。ルーズベルト大統領以来最も偉大な大統領の一人だ。レーガン氏が偉大な疎通者になったのは、「偉大な聴取者(Listener)」だったからだという。
疎通能力はたくさん話す能力ではない。まずはよく聞く能力である。次に国民の気持ちをきちんと理解した上で話す能力だ。国民は大統領がこき使う職員ではない。国家のリーダーと企業のCEO(最高経営責任者)が異なる点はまさにこれだ。
ところが、李大統領は牛肉交渉が妥結し一部の階層で懸念が広がっている状況で「進んでいる畜産農家は開放しても問題はない」「牛肉開放の次は消費者の選択問題」と語った。嫌なら買わなければいい、という意味だろう。理にかなってはいるが、多数の畜産農家と消費者の心を傷つけ、怒らせた言葉だった。
このように人心に怒りが積もった後、テレビの‘狂牛病怪談’番組が火を付け、事態が手のほどこしようもなく悪化したのだ。疎通障害は相手に信頼を与えることができない状況で発生する。
李明博政権の最大の政治懸案である「李明博-朴槿恵(パク・クネ)対立」も、朴議員が大統領を信頼していないがために起きた。信頼の問題は、青瓦台(チョンワデ、大統領府)にも政府にもある。
青瓦台は主に‘政権創出功臣’同士で意思疎通し、専門家・公務員出身が意思決定から疎外され、のけ者にされている、という話がすでに出ている。一部では功臣同士の権力争いがあるという声まで聞こえる。
こうした事態は根本的に李大統領の人事失敗に起因する。有能な政治を目指しながら無能な人事を行ったのだ。「コ・ソ・ヨン・Sライン」(高麗大+所望教会+嶺南地域出身+ソウル市)という苦言も出ているように、李大統領は「ベスト・オブ・フレンド」で要職を埋めようとしたという批判に耳を傾けなければならない。
大統領が一人で働き、残りは後から無条件ついていく「一列縦隊」の風土も、疎通を難しくする要素だ。李大統領は政権引き継ぎ委員会当時から十分な睡眠も取らずに仕事をしてきた。作男のように働く、と言った。問題は何のために働くのかだ。李明博政府は、各論はあるのに総論がないと言われる。頑張ることだけで解決できないのが国政だ。
説得力のある国政目標を提示する企画機能が足りない。韓昇洙(ハン・スンス)国務総理を含め、こうした部分を担当する閣僚は、大統領と青瓦台の顔色を見て、自主性が大きく損なわれている。
いまや大統領はこれまでより少なく動き、たくさん考える必要があるのではないだろうか。自分の問題を振り返ってみて、一大国政刷新策を打ち出すべき時点だ。党・政府・青瓦台で人的刷新に踏み切り、不信感を解消しなければならない。
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