光利用し睡眠調整を 東行きの『時差ぼけ』
大型連休も後半戦。これから海外に旅立つ人も少なくないだろう。海外への渡航で悩まされるのが「時差ぼけ」。特に東方面への移動の際に苦労する。メカニズムと対策を聞いた。
http://www.chunichi.co.jp/article/living/health/CK2008050202008223.html
国際線パイロットの約九割が時差ぼけ「あり」-。睡眠を研究する太田睡眠科学センター(川崎市)の佐々木三男所長らが国際線のパイロット約二百六十人を対象に行った調査結果だ。時差ぼけがあると答えた人は88%で、主な症状は睡眠障害(眠れない)が67%、眠気が17%。作業能力低下や食欲低下もあった。
時差ぼけを佐々木所長は「五時間以上高速移動した後に起こる心身の不調」と定義し、「人間の体内時計と現地時間がずれることで起こる」と説明する。現地時間に同調するには時間がかかり、その間に起こる不調が時差ぼけの症状だ。
顕著なのが、米国など東行きの飛行だ。佐々木所長らが英国などへの西行きと、米国など東行きのフライトを同じ人に体験させ、到着後の眠りを調べたところ、西行きでは到着後も浅い眠りと深い眠りのリズムが出発前とほぼ同様に保たれたが、東行きでは夜中に目覚めたり、早朝に起きてしまうなどの障害が出た。
「時差の都合で西行きの場合は体は眠いのに現地に夜が来ず、夜を待って寝る形になるため、眠りを得やすい。東行きでは眠くないのに現地時間の夜が先に来て、無理に寝ないといけない状況なので寝づらい」と佐々木所長は説明する。
「体内時計は二十五時間あり、人はそれを二十四時間にリセットしながら生活している。就寝を遅くすることには順応しやすいが早めるのは難しく、体感として東行きがつらくなる」
対策は出発前の準備と到着後の対処だ。東行きの場合、出発前の数日間は「寝る時間を一時間程度ずつ早めておくと対応しやすい」。飛行機内は気圧が低く疲れやすいため、リラックスできる服装で眠り、体力を温存する。酒類は悪酔いしやすいのでほどほどに。時計を現地時間に切り替えるのも手だ。
到着後は時差によって対策が違うが、「光」を有効に使う。米国西海岸(日本との時差マイナス十六時間)の場合、宿舎で数時間の仮眠にとどめ、正午(日本時間の早朝)には起きて外で光を浴びる。東海岸(同マイナス十三時間)でも多少休んだら、夕方(日本の朝方)には光を浴びる。「目が覚めた直後に光を浴びると、その日眠くなるのが早くなる」
また日中は屋外で積極的に活動することも「社会的に(現地時間に)同調することになる」。西行きは出発前準備は特段必要ない場合が多い。逆に現地から帰国する際に東行きとなるので同様の対処が必要だ。
スポンサードリンク