増える「睡眠障害」 原因にあわせ治療を 認知不足によるトラブルも
24時間、世の中が目まぐるしく動く現代社会では、生活のリズムも多様化。その背景で、不眠症や睡眠時無呼吸症候群など睡眠障害を抱える現代人が増加している。しかし、睡眠障害に関する社会的な理解は十分ではない。心の悩みを抱える現代人が増える中、心と体の健康のバランスを維持する睡眠が医療の分野から見直されている。
http://www.gifu-np.co.jp/kikaku/2008/inochi/3/inochi_2.shtml
9月に開業した岐阜市薮田南の岐阜メイツ睡眠障害治療クリニック。日本睡眠学会の睡眠医療認定医、田中春仁院長は「睡眠障害イコール、精神的な問題と思われがちだが、メンタルな問題のみとは限らない。生活習慣病などの予防医学の面からも睡眠医療は重要で、睡眠障害は不眠だけでなく、睡眠に関連した疾患」と説明する。日本では睡眠障害の受け皿の多くがいまだ精神科となっているが、欧米では内科医が主流という。
近年、社会的にも睡眠障害として認識されつつある睡眠時無呼吸症候群のように、そのままにしておくと交通事故や産業事故を引き起こす危険性のある睡眠障害もある。
夜勤の仕事に就いていたある患者の場合、昼と夜の体内リズムが狂う概日リズム性睡眠障害となった。倦怠(けんたい)感に襲われ、集中力も低下。仕事を続けることができなくなり、やむなく仕事を辞めた。しかし、人間の体は朝日を浴びることで体内時計をリセットする仕組みがあり、太陽と同じ光を放つ高照度光治療によって元の生活リズムを取り戻すことができた。
子どもの場合、長期の夏休みに夜更かしを続けて概日リズム性睡眠障害になるケースが多いという。朝起きられないのは体内時計が狂ったためなのだが、本人の気力の問題と誤解され、不登校や引きこもりへと発展してしまうこともあるという。
「日本ではまだまだ、睡眠と医療が結びついていない。間違った知識で、うつと診断されてしまうこともある」と田中院長。
厚労省が行った2007(平成19)年の労働者健康状況調査では、職場での不安や悩み、ストレスを抱える労働者が約6割と、高い割合を占めている。その上でも、心と体の健康を維持するもととなる睡眠を軽く見ることはできない。
「不眠を起こす背景には情緒的な原因、科学的な原因があり、治療ではその使い分けが必要。睡眠障害が改善されると、生活習慣病などの予防、回復にもつながる」と、理解を求めている。
【睡眠障害】 新幹線の運転手が勤務中に居眠りをして停車位置を間違えた出来事を機に、睡眠障害の一つ、睡眠時無呼吸症候群の存在が社会的に知られるようになった。睡眠に関する疾患は107あるともいわれている。
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